美しい日本語小説!感動する美しいおすすめ小説

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感動する美しい日本語小説

小説を手にとって、本当に感動してページを閉じることは稀(まれ)です。

人気作家であっても、クオリティにムラがあります。
「感動する傑作」と謳(うた)われていても、ストーリーに既視感があります。

感動できるはずが、単なるお涙頂戴ものに終わっていることもままあります。

何より、美しい日本語の文章に圧倒されるということが少ないように感じます。
作家として「すごい!」と思えるだけの語彙、美しい日本語のリズム、文章のテンポの良さ、ストーリーの美しさ、すべて読み手を満足させてくれる水準の作家がどれだけいるでしょうか。

また、小説は退屈であってもいけません。
小説は娯楽なのだから、「早く続きを読みたい」と思わせるものでなくてはいけません。
エンターテイメントとしても、極上でなければ!

今回は、美しい日本語で綴られた、感動する、泣ける珠玉の小説をご紹介します。

美しい日本語で感動する泣ける小説を読みたい時のおすすめの『鉄道員』

美しい日本語で綴られた感動する「鉄道員」

これまで5000冊ほど小説を読んできましたが、浅田次郎は現存する日本人作家で一番美しいストーリーを紡げる人、日本語の美しさを実感させてくれる人、小説を買って外れのない人だと私は思います。

名もない市井(しせい)の人々の、つつましい幸せ、悲しみ、愚かさ、
そういったものが美しい文章で綴られた短編集は、感動を呼び起こし心を揺さぶること必至です

初めて浅田次郎の小説を読む方には、数多ある短編集のうち、「鉄道員」(『鉄道員』収録)をおすすめします 。

「鉄道員」の主人公は、化石のような存在に感じられるでしょう。
そして、彼の働き方や、仕事への愚直なまでの献身は、時代遅れのものに思われるかもしれません。
真面目さ、誠実さ、バカ正直さ…。
「アホじゃない?」と若い人に言われてしまう可能性も大です。

ですからこの小説は若い人は読んでくれなくてもいい。
人生の機微を知った大人に、美しい日本語で感動する小説・泣ける小説を求める大人に読んでいただきたいと思います。

この小説は澱(おり)の溜まった心にあたたかな感動を呼び起こしてくれます。

美しい日本語で感動する泣ける小説を読みたい時のおすすめの『鉄道員』のあらすじ

美しい雪景色を舞台にした感動小説「鉄道員」

「鉄道員」は「ぽっぽや」と読みます。

主人公の乙松は、北海道の赤字路線の駅の駅長。
幌舞駅は利用客が少なく、路線も廃線が決まっています。

吹雪の日も、凍えるような零下20度以下の日も、乙松は駅に立ち続けます。

愚直なまでに、駅員としての仕事に専心する日々。

43歳で授かり、とても大切にしていたたった一人の子供の雪子が亡くなった時も、
乙松はホームに立っていました。
子供を抱えた妻が病院に行くのを指差換呼して見送り、旗を振って迎えます。
妻は、生涯でただ一度だけ声を荒げます。
「あんた、死んだ子供まで旗振って迎えるんかい」。

妻が亡くなった日もまた、乙松は駅で仕事をしています。
女房の死に目にも会おうとせずに…。
「薄情者」と言われながらも、幌舞駅でその日の仕事を終え、
灯を落としてから、最終の上りでやってきました。

妻の最期に立ち会いたくなかったわけではありません。
霊安室で、乙松はじっと俯(うつむ)いていました。
うなだれる乙松。

「俺ァ、ポッポヤだから、身うちのことで泣くわけいかんしょ」と言って、
涙ひとつこぼしません。
身を切られるようにつらいのですが、じっと堪えています。

家族をすべて失い、独りぼっちになってからもまた、乙松はホームに立ち続けます。

そんなある日乙松の駅に女の子がやって来ます…。

時代は変わり、仕事に楽しさを求める人が増えています。

また、仕事で評価されるのも要領の良さと効率です。
乙松の働き方は、その対極にあります。

でも、この小説を読んだら乙松に心を揺さぶられずにはいられません。

美しい日本語で綴られた、感動する、泣けるストーリーです
「方言が苦手だ」という方には読みづらいかもしれませんが、その方言もまた、美しいものです。

美しい日本語で感動する泣ける小説を読みたい時のおすすめの『鉄道員』のポイント

「鉄道員」の美しい風景

乙松は愚痴も言わず、自分の事情をすべて無視して仕事を続けます。
現在の理想の働き方、家族優先、「自己実現」優先の働き方とは程遠いものです。

どんなにつらくても、そこに仕事があるから仕事をする。
仕事はこういうものだ、と。

寡黙に淡々と仕事をする、乙松の職人のような仕事への姿勢。

でも、これは過労を強いる倫理とは全くの別物です。
仕事への誇り、仕事への責任感から、乙松は仕事をするのです。

仕事はこういうものだ、と。

こうした仕事への責任感や誇りを、今いったいどれだけの人が持っているでしょうか。

この小説を読むと、その乙松の仕事への倫理観や不器用さ、朴訥(ぼくとつ)とした人柄を、美しいと感じずにはいられません

また、この小説に描かれる人間像に感動せずにいられません。

私には、身内のことより仕事を優先することはできません。

仕事で徹夜したことはありますが…。
それは終わらないから徹夜したんであって、仕事への誇りでしたことなんてありません。
次の日ボロボロだから絶対したくなかった!というのが本音です。

昨年は情けない体験をしました。

私は川崎日航ホテルの一室で作業をしていました。
会議の準備です。
会議の責任者だった同僚の男性と、夜中まで配布資料をファイリングしていたのです。

同僚の男性は、前夜徹夜をした後でした。
私も前夜遅く、その日朝早くから飛び回って限界でした。
でも、クライアントが、夜中に仕様書にない作業をするように、と。

いくら同僚が超体育会系とはいえ、前の夜一睡もしてないのにそんなことをさせるわけにはいかない、でももう自分もゲンカイ…。

極限状態で、自分は情けないことにギブアップしました。
1時には床について寝てました。
そして6時に「ホテルのプリンターでPDFが印刷できない!」という同僚の電話で目覚めました。
ガーン。
急いでホテル近くのコンビニに飛んで行きました。
「私って情けない!」という思いでいっぱいでした。

やっぱり、極限状態で人は問われますね。。。

あと、気力で男性に負けるのは悲しいですね。
「女は責任感がない」と思われたら、下の世代の女性が損をします。
だから、たとえ要領悪くて時間かかっても、やり遂げたい。
でも、どうやっても頭悪くてできない時や体力・気力で敵わない時は、ホント凹みます。

ともあれ、私たちが失ってしまった職業倫理というか、職人的な職業への誇りを乙松は持っています。
その仕事への心意気が、美しいのです。
寡黙な頑固さも実直さも、家族への愛情も美しいのです。
浅田次郎の描く舞台も、人間たちも、日本語も、美しい…。
心を揺さぶり、感動を呼びます。

失われてしまった、素朴なものを思い出せるこの小説。
美しい日本語で綴られた泣ける小説を読みたい方、感動する小説を読みたい方は
ぜひこの小説を手にとってみてください

もし、サラッと読める本で、泣ける小説や童話を探している方はこちらをどうぞ。

 

浅田次郎「鉄道員」

<小説データ>
『鉄道員(ぽっぽや)』
浅田 次郎
集英社
284ページ
1997年4月発売
本が苦手な人の読みやすさ★★★
おすすめ年代 30代~
おすすめ性別 男女とも
涙がこぼれる度★★★★★
キンドル版あり

<作者プロフィール>
浅田 次郎 (アサダ・ジロウ)
1951年、東京都出身。1995年『地下鉄に乗って』で吉川英治文学新人賞、1997年『鉄道員』で直木賞、2000年『壬生義士伝』で柴田錬三郎賞、2006年『お腹召しませ』で中央公論文芸賞と司馬遼太郎賞、2008年『中原の虹』で吉川英治文学賞を受賞。短編、長編、コメディ、シリアス問わず作品に読み応えがある。コメディは『王妃の館』や『プリズンホテル』シリーズなど。『蒼穹の昴』は傑作中の傑作(個人的には『レ・ミラブル』と並び頭の中で95点を付けた人生で唯一の小説です)、ご一読ください。

 

ここからは、個人的な思いです。

ノーベル賞って、偏ってると思いませんか?

特に文学賞。

村上春樹さんが、毎年候補に挙がって、残念ながら受賞を逃しています。

でも…。

私としたら、村木春樹さんの前に浅田次郎さんだろう、という思いが拭えません。

日本語の美しさ、心の琴線にふれるストーリー。

何で浅田次郎さんが候補に挙がんないの、と思います。

言語の壁、というのは確かにあるのでしょうね。

例えばハリーポッターにしても、日本語で読むより英語で読むほうがずっとおもしろい。

訳者のレベルがメチャクチャ高くても、その言語特有のリズムというものがあります。

ローリングの文章はリズムがいい。

いくら翻訳者が素晴らしくても、英語で読む躍動感は日本語にできない部分があるはずです。

浅田次郎氏さんの小説がどれだけ英訳されているかは知りませんが、英訳したとしても表現できないところがあると感じます。

語彙のチョイスが難しいでしょうし、リズムを英語にするのも難しそう。

何より難しいのは作品全体として醸し出される情緒ではないでしょうか。

父母が頭かきなで幸くあれて 言ひし言葉ぜ忘れかねつる」(万葉集)という歌を読んだ時に胸に呼び起こされるのと同じような感慨。

日本語でなければおそらく表現できないでしょう。

浅田作品は日本で生まれ育った人や日本語に親しんだ人でしかわからない味があるのです(日本人にしかわからないないとは全く思いません。)

ノーベル賞の候補になるためには、英訳されて、世界に受け入れられる必要があります。

でも、簡単に英訳できるほど浅田作品は「安く」ない。

各言語、各文化の価値を等しく扱おうという理念はあるのでしょうが、実際は言語の制約を受けすぎてて、口惜しいです。

感動する泣けるおすすめ小説!泣きたい時の感動ストーリー

 

 

 

 

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吉乃川なつ

吉乃川なつ

本とお酒が大好き! 本は小説からビジネス書、マンガまで前に出されたら何でも読んじゃいます。お酒もビール、日本酒、ワイン、すべて愛しています。 人生や仕事に疲れたみなさんに、ホッと安らげるような記事をご提供できればと思います。

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One Response to “美しい日本語小説!感動する美しいおすすめ小説”

  1. […] 今回はすべての年代の方が感動できる小説をご紹介しましたが、大人のための感動できるおすすめ小説もありますので、そちらもチェックしてみてくださいね。 […]

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