幸せなクリスマス

クリスマスが近づいてくると、気分が高揚してわくわくしますね。

街にはイルミネーションが輝き、楽しいクリスマスソングが流れて…。
ショーウィンドウには、クリスマスプレゼントが並んでいます。

外は寒いけれど、世の中全体が楽しんでいるような、明るい空気に満ち溢れています。

クリスマスで楽しいのが、大切な人へのプレゼント選び。

「これ似合うかな」「これ喜んでくれるかな」と大切な人のことを考えながらプレゼントを選ぶのって本当に楽しいですよね!

そんな楽しいクリスマスがもっと楽しくなる小説をご紹介します。

楽しいクリスマスの本!最高のクリスマスプレゼントがわかる『賢者の贈り物』オー・ヘンリー

クリスマスの日に

アメリカの短編作家オー・ヘンリーのクリスマスプレゼントにまつわる素敵なお話です。

楽しくて、やさしい気持ちになれて、ちょっと泣けるクリスマスストーリー。

最高のクリスマスプレゼントって、いったい何?

その答えがこの小説の中にあります。

クリスマス前にぜひご一読ください。

 

楽しいクリスマスの本!最高のクリスマスプレゼントがわかる『賢者の贈り物』のあらすじ

美しいクリスマスツリー

主人公は、若い主婦のデラです。

クリスマスイブにデラがお金を数えているところから小説ははじまります。

デラは夫へのクリスマスプレゼントを買いたいと思っているのです。

大好きな愛する夫に最高のクリスマスプレゼントを贈りたい!

でも、デラにはお金がありません。
八百屋さんで値切ったり、肉屋さんで値切ったり、恥ずかしい思いをして節約してきたのに。

夫にプレゼントを買えないつらさで、デラは大泣きしてしまいます。

デラの夫ジムは若干22歳。
その年齢で安月給で家計を支えているんですから、二人の生活に余裕はありません。
この若夫婦の家には、2つの宝物がありました。

一つは、夫ジムの家に代々伝わる家宝の金時計。

もう一つは、デラの美しく長い亜麻色の髪でした。

どうしても夫にプレゼントしたいデラは、ある決心をして外出します。

そう、デラは大切な亜麻色の髪を売ることにしたんです!

髪を切り、自分の姿を鏡で見たデラは涙ぐみます。

でも、20ドルのお金が手に入りました。夫の一週間分の収入にあたる大金です。

わくわくしながらデラは買い物をします。

そして選んだ品が、プラチナの時計の鎖でした。

夫は立派な時計にみすぼらしい革ひもを付けていて、取り出すとき恥ずかしそうにしていたんです。

ルンルン気分で家に帰ったデラは、料理してジムの帰りを待ちます。

ところが、帰宅した夫のジムは、これまで見たこともないような表情をしてデラを見つめるのです。

ショックを受けて、泣きだすデラ。

「髪がなくなっても、私は私でしょ?あなたへの愛がどのくらい深いか神様だってわからないわ」

ハッと我にかえった夫は、デラを抱きしめます。

夫がショックを受けたのは、デラにプレゼントを用意したからでした。
デラがずっと欲しがっていた素晴らしい髪飾りです。

でも夫はそのクリスマスプレゼントをデラに買うために、金時計を質屋に入れてしまっていたのでした。

楽しいクリスマスの本!『賢者の贈り物』が教えてくれる最高のクリスマスプレゼントとは?

一番素敵なクリスマスプレゼント

せっかくクリスマスプレゼントを用意したのに、お互い使えないプレゼントになってしまった…。
残念ですね。

でも、デラとジムの若夫婦は世界で一番幸せなクリスマスの食卓を囲んだに違いありません。

作者は言います。
贈り物をするすべての人の中で、この夫婦が一番賢いんだと。

なぜでしょうか?

それは誰よりも心がこもったクリスマスプレゼントを相手に用意したからです。

二人とも自分が一番大切にしているものを売ってしまいました。

自分が一番大切なものを手放しても、大切な人が喜ぶものを買いたい!と思ったからです。

そんなふうに思ったこと、思ってもらえたことがあるでしょうか?

相手のことを強く思う心。。
いくらお金を積んでも、その思いは買えませんよね。

最高のプレゼントは、相手を思う心だということをこの小説は教えてくれます。

この小説を読みながら、子供の頃のクリスマスを思い出しました。

毎年、両親は「サンタさん」として、枕元にプレゼントを置いてくれました。

でも私はあまり物が欲しいとは思わない子供だったので、反応に乏しく、両親をがっかりさせていたと思います。
CDラジカセセットでも、服でも…。あまり嬉しいと感じたことはありませんでした。

大人になってからも、私はアクセサリーとか服とかブランド類とかは嬉しいと感じられませんでした。

そんな私がうれしかったプレゼントが二つあります。

一つはプレゼントとはいえないものでした。

元彼の家に二回目に行った時のことです。
洗面台に行ったらクレンジングも洗顔料も、化粧水も、全部肌にやさしいものを揃えてくれてあって…。

「うちではすぐファンデーションとっちゃいなよ」
という言葉と合せて、うれしかったです。

私はたくさんシミあって肌ボロボロなのに。
女性はそう言ってもらえるのと嬉しいものかもしれません。

というのを心の痛みとともに思いだしました。

もう一つは、年下の可憐な友人が贈ってくれた言葉です。

昔私が落ち込んでた時に、
お酒を飲む私の横でジンジャーエールを飲みながら
「私がいるじゃないですか!!」と強く言ってくれたことです。

当時彼女は短大を卒業して社会人二年目。
同じ会社の営業部の事務でした。

毎日のようにaikoの歌の歌詞とかメールで送ってくれて、励ましてくれました。。。

あれほどありがたい贈り物はありませんでした。

あなたが今年クリスマスプレゼントを用意するかしないかわかりませんが、
大切な相手がいるというのは、幸せなことです。

大切な人のことを考えてプレゼントを選ぶ時間は、至福のとき。

クリスマスプレゼント選びも、クリスマスも、楽しんでくださいね。

あなたのクリスマスが、あたたかなクリスマスになりますように。

そして、大切な人がいない、クリスマスなんてふざけるな!と思っている方に。

周りの人の幸せなクリスマスを、喜んであげましょう。

私もそうするつもりです。

「Have Yourself A Merry Little Christmas」という曲の一節をお送りします(メチャ意訳です)。

“Have yourself a merry little Christmas, let your heart be light.
From now on, our troubles will be out of sight.

(ささやかでもいいから、よいクリスマスを過ごしてね。
ちょっと心をほぐしてみて。
これからは、つらいことも苦しいこともことも、きっとなくなっていくから”

仕事がつらい方も、仕事がない方も、さみしい方も、いつかあたたかなクリスマスを迎えられますように。

(子供に素敵な絵本をプレゼントしたいというかたは、子供におすすめの絵本をチェックしてみてくださいね!)

<楽しいクリスマスの本のデータ>
賢者の贈り物(オー・ヘンリー短編集として発行)
オー・ヘンリー (著)
出版社多数
287ページ
気持ちがあたたくなる度★★★★★
癒される度★★★★★
おすすめ性別 男女とも

<作者プロフィール>
オー・ヘンリーは、アメリカの著名な小説家。短編小説の佳作が多い。

 

1ドルの価値/賢者の贈り物 [ オー・ヘンリー ]

1ドルの価値/賢者の贈り物 [ オー・ヘンリー ]

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吉乃川なつ

吉乃川なつ

本とお酒が大好き! 本は小説からビジネス書、マンガまで前に出されたら何でも読んじゃいます。お酒もビール、日本酒、ワイン、すべて愛しています。 人生や仕事に疲れたみなさんに、ホッと安らげるような記事をご提供できればと思います。