バカと言われない大学生に必要な読書

せっかく大学に入ったのに、勉強もせず、やる気もしない…。

サークルも、アルバイトも、専門分野の勉強も大切です。

サークルやアルバイトの経験は、貴重なもの。
行動しなければ、体験しなければ人生の意味はありません。

「書を捨てよ町へ出よう」という寺山修司の言葉もあります。

そう、行動しなければ意味はない。

でも、せっかく大学生になったなら、たまには知的好奇心を刺激するような本を読んでみませんか?

世の中の見方が変わる、頭の中がアドレナリンで満たされるような知的な本を。

2015年2月に発表された大学生協の調査が世の中に衝撃を与えました。

大学生の一日の平均読書時間は31.7分、一日に読書に費やす時間が「0分」の大学生も40%以上。

その一方で、大学生がスマホに費やす時間は平均163.6分と2時間半以上です。

行動して実行するのも大切ですが、一日くらいラインの時間を読書にあててみませんか?

「大学生ならこのくらい読んで欲しいな」と思う本を3冊ご紹介します。
もし難しかったら…。
もっと軽いものでいいので読書もしてみてください。

大学にいるうちにいろんな体験をしてみてくださいね!

 

やる気がない勉強しない読書をしない大学生が読むべき本『科学革命の構造』トーマス・クーン

読書する若い女性

読んでいると心じゃなく頭がドキドキして、知的好奇心が湧き出てくる刺激的な本です。

科学ってどうやって進歩してきたんでしょうか?

緩やかでなめらかな直線のように少しずつ進歩していくものでしょうか?

いいえ、違います。

この本は、これまで科学の世界で起こった劇的な変化はどのようにして訪れたかを明らかにします。

ニュートン、アインシュタイン…。

実は、小さな積み重ねで科学の「常識」が変わっていくではないんです。
「革命」っていうくらいだから、劇的な転換が起こっているわけです。

では、どうして科学の世界でコペルニクス的な転換が起こるか!?

歴史に基づいてが紐解かれていくこの本は、下手なミステリーより面白い!!

著者のクーンに対してはいろんな批判はあるようですが、科学史を知的興奮とともに味わえるレアな本です。

頭が柔らかな大学生時代にお読みください。

大学生におすすめの本『科学革命の構造』

『科学革命の構造』トーマス・クーン

やる気がない勉強しない読書をしない大学生が読むべき本『自由からの逃走』エーリッヒ・フロム

本を読む金髪少女

こちらも刺激的な本です。
自分のアイデンティティを考えるためにも、大学生にぜひ読んでいただければと思います。

私たちって、自由でしょうか?
名目上は、自由ですよね。

昔みたいに小作農の子は代々小作農しなきゃいけないとか、キリスト教はダメとか、そんなのないですもんね。
自分の進路も、職業も、宗教も自由に選べるし、思想も結婚も選べます。

でもホントに自由なの?
たしかに、私たちは身体的、物理的には自由になりました。
その一方で、世間体とか社会的な規範とか…。

目に見えないものに縛られていないでしょうか。

時には価値観ですら自由ですらありません。

みんながいいと思うブランドに憧れ、みんなが素敵だという企業に入りたいと思う。
みんながキレイだというルックスになりたいと思う。

内面的に、自由であると言えるでしょうか。

作者は、自由であることは、孤独を伴うものであることを指摘します。

自由は孤独。不安になります。

だから、そこから逃れようと外的な絆を人間は求めます。

自分の居場所、所属しているところ。
それがないと孤独なんです。

拠り所になるものが民族だったり、国家だったり。

人が自由から逃げ出して生まれたのが、ナチスでした。

人間がファシズムに傾倒する背景を心理学の立場から解明したこの本は、今の時代にこそ読んで欲しい。

ISに傾倒して参加する若者がなぜ多いのか、どうして自由な国でナショナリズムが高揚するのか。

自由って孤独です。
孤独と向き合う強さを持ちたいものです。

私は昔この本を読んで、いかに自分の内面が不自由か知りました。

私の母は、大学卒業直後、22歳で結婚しました。
私もそのくらいで結婚して、適当に手に職だけつけてのんびり生きようと思ってました。

30歳まで独身だったおばさんが「オールドミス」とか言われてたし、
普通に周りの規範に合わせて生きてくつもりでした。

周りに「認められ」「評価される」ものがよいという価値観を内面化していました。

そんな考えを吹き飛ばしてくれたのが、フロムや社会学の本でした。

ありがたいのかありがたくないのか。。。。

大学生のあなたが今「友達ほしい」と思っていて、
単に所属できる場所を求めているだけだとしたら、
この本を読んで考えてみてくださいね。

大学生のうちに、ぜひ!

大学生におすすめの本『自由からの逃走』

『自由からの逃走』エーリッヒ・フロム

やる気がない勉強しない読書をしない大学生が読むべき本『想像の共同体』ベネディクト・アンダーソン

犬と本を読む若い女性

国民や国家。
私たちが当たり前だと思っている概念を、見事にひっくり返してくれるのがこの本です。

「国民」って、当然のものだと思って深く考えたことはありませんでした。
大学の時にこの本を読むまでは。

でも、実は「国民」という概念って「想像」されたものだったというんです。

国民がもともと存在していた歴史的なものではない、ということの世界的な事例が次々出てきます。

そして「私たちは同じ」という想像のために大きな役割を果たしたのが共通語としての言語というわけです。

衝撃的でした。

まあ、日本でも江戸時代までは「お国はどこですか」と言われれば「三河です」とか答えたわけです。
100年前に東北弁の人と熊本弁の人がお話したら、うまく意思疎通できたでしょうか?

と考えると新聞やラジオで共通語としての標準語が広まっていなければ「同じ国民」としての意識を持つのは難しかったでしょうね。

ネットは国境がないといっても「日本語」で情報を受け取っているのは同じです。

常識を疑え、とこの本は教えてくれます。

大学生におすすめの本『想像の共同体』

『想像の共同体』ベネディクト・アンダーソン

今回ご紹介した三冊は、どれも脳みそに知的な刺激を与えてくれます。

大学生のみなさんは、スマホが手放せないかもしれません。

そして、本や新聞はいらない、「ネットで検索すればいいじゃん」と思ってるかもしれません。

でも、ネットで検索していると、ダイレクトに探した情報しか手に入りませんよね。

私も最近ググってばかりなので、「自分が興味ある情報」「自分が探している情報」しか目に入らなくなりました。

これが雑誌だったら、全然興味のない情報や、自分と全く違う価値観を持った人の考えを目にするんですが…。
別の意味で、情報弱者になっている気がします。

大学生時代に別の情報源を確保して、視野を広げていただきたいと思います。

せっかく頭が柔らかくていろんなものが吸収できる大学生の時期です。

ネットでも、本でも、新聞でも、あらゆるものから吸収してください。

そして、何より吸収できるのが、「体験」です。
自分の身体で、肌で体験して、くださいね!!

失敗は、何回してもオッケーです。
そして若い人に対しては失敗に寛容な社会です(それもあれですけど…)。
ぜひ大学生のときに、若いうちにたくさん失敗してください。

「暇だ、やることない。でもここで挙げた本は難しすぎるから読む気しない」という大学生の方は、大学生を主人公にした共感できるおすすめ小説をご覧ください。やる気がでちゃうかも。

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吉乃川なつ

吉乃川なつ

本とお酒が大好き! 本は小説からビジネス書、マンガまで前に出されたら何でも読んじゃいます。お酒もビール、日本酒、ワイン、すべて愛しています。 人生や仕事に疲れたみなさんに、ホッと安らげるような記事をご提供できればと思います。