不倫は文化だ

不倫は文化だ。

石田純一さんの名言ですね。

たしかに不倫を題材にした素晴らしい芸術作品はたくさんあります。

今回は、赤裸々な不倫の心情を綴った歌を選びました。

不倫中の人は共感して、不倫に悩むのは自分一人じゃないと癒されるかもしれません。

不倫中じゃない人も、歌として素晴らしい歌ばかりです。

プロライターが不倫に悩む心境を綴った歌詞に注目して、ランキング形式でご紹介します。

 

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不倫の歌ランキング第6位 Ti Amo/EXILE(2008年9月発売)

Ti Amo

作詞:Kiyoshi Matsuo レーベル:rhythm zone

 

タイトルの『Ti Amo』とは、イタリア語で「君を愛している」という意味です。

Tiが君を、Amoが(私は)愛しているという意味です。

 

“日曜日の夜は ベッドが広い

眠らない想い 抱いたまま 朝を待つ

帰る場所がある あなたのこと

好きになってはいけない わかってた 初めから”

結婚して家庭のある男性と付き合っている女性にとっては、彼が泊まっていく日と泊まっていかない日とで感じるベッドの広さがまるで違います。

そんなことを考えながら、彼のことを想い続けて夜中眠れずにいます。

初めから好きになってはいけない相手だと知っていたのに、好きになってしまった。

 

“キスをするたびに 目を閉じてるのは 未来(あした)を見たくないから”

切ない歌詞です。

不倫の恋は、未来を思えば思うほど不安との闘いになるのでしょう。

今を生きるしかない。

不倫の恋を続けるためには、今だけを見るしかないのでしょう。

 

彼が彼女に、奥さんとは離婚するつもりがあると言っているのか、言っていないのかは分かりません。

言っていなければ、きっと彼女はいつか終わる関係だと思っているでしょう。

離婚すると言われていれば、その言葉を信じていいのか葛藤があります。

子どももいるかもしれません。

本当に家族を捨てて、私の元に来てくれるのか。

彼の家族を傷つけてしまっていいのか。子どもはどうするのか。

本当に離婚になったら、お金はどうなるのか。慰謝料は?子どもの養育費は?

こんなことを考えて、でも考えてもどうなるのか分からなくてよけいに不安に襲われます。

そうして未来から目を背けたい気持ちになります。

 

“誰ひとり傷つけない恋を 人は愛と呼ぶけど

この罪を背負いながら 生きてく覚悟はできてる”

こうして不倫の恋を続けているかぎり、彼と彼女は彼の家族を裏切り、傷つけていることになります。

たとえ彼の家族がそれを知らなくても、二人が罪悪感に襲われるのは避けられないでしょう。

その罪の意識を背負ってでも、この関係を続けていく覚悟はできています。

さらに彼が家族を捨てるのであれば、もっと大きな罪を一緒に背負ってでも彼女は彼と一緒になる覚悟もあるのでしょう。

 

“部屋を出る時は「さよなら」じゃなくて「おやすみ」と言って欲しい

終止符くらいは私に打たせて それが最後のわがまま”

もっと一緒にいたくても、一緒にいる時間は限られています。

会える時間も、タイミングも、家族のある彼に彼女が合わせる部分が大きいのでしょう。

それだけ彼女が彼を愛しているから。

なんでも彼に合わせているのだから、せめて別れのタイミングくらい私に決めさせてほしいという気持ちです。

 

“もっと早く会えたら あなたと知りあえたら

ふたりの歩幅も合わせられたのに

もっと長く会えたら あなたと向きあえたら

ふたりは心も重ねてた(Ti Amo)”

不倫の恋をする人にとって、どうしてもこう考えてしまうのでしょう。

彼が結婚する前に会えていたら、こんなふうに悩み苦しまなくて済んだのに。

もっと長い時間をともにすることができていれば、二人は体だけじゃなく心も重ねられたのに。

彼女は二人の心が重なっていないことに気づいています。

いずれ別れが来ることも知っています。

 

“「僕は弱いね」と自分から告げた ずるい人だわ あなたは

時計をはずして 微笑んでくれる 優しい人ね あなたは

笑顔くずさないで 嘘を見抜きたくない”

男から「僕は弱いね」と告げるのがずるいのは、先にそれを言われたら彼女が自分の素直な想いを言えなくなるからでしょう。我慢してしまって、わがままが言えなくなります。

男はどこまでも利己的です。

時計をはずすのが優しいのは、今日は時間なんて気にしないってことでしょう。

「何時まででも君と一緒にいるよ」とでも言ったのでしょうか。

嘘を見抜きたくないというのは、不倫をしている人の本当に素直な心境でしょう。

家族がある男は、きっと多くの嘘をつきながら付き合っています。

それに気づいても、幸せな気分になれることなんて何一つありません。

 

EXILEはパフォーマンスもすごくて元気になれる歌が多いですが、バラードもいい歌がたくさんあります。

そんなEXILEのバラードを集めたベストアルバムが「EXILE BALLAD BEST」

1曲目が「Ti Amo」です。

ほかにも、「Lovers Again」や「ただ…逢いたくて」といったヒット曲も入っています。

こちらのページから試聴できます。


EXILE BALLAD BEST [ EXILE ]

 

 

不倫の歌ランキング第5位 恋に落ちて/小林明子(1985年8月発売)

恋に落ちて

作詞:湯川れい子 レーベル:ファンハウス

 

この歌が好きだと友だちのお母さんが言っていたらしく、友だちが心配していました。

でもどうやら友だちのお母さんは不倫していたわけではなかったようですが。

不倫でなくても切ない恋心に共感しますし、メロディーも美しいですからね。

 

“もしも願いが叶うなら

吐息を白いバラに変えて

逢えない日には部屋じゅうに

飾りましょう 貴方を想いながら”

不倫の恋は、どうしても会いたくても会えない時間が長くなります。

逢えない日についてしまう吐息が白いバラに変わります。

貴方を想うと、部屋じゅうが白いバラに変わったような気持ちになります。

 

“Darling,I want you 逢いたくて

ときめく恋に 駆け出しそうなの

迷子のように 立ちすくむ

わたしをすぐに 届けたくて

ダイヤル回して 手を止めた

I’m just a woman

Fall in love”

不倫の恋ですが、ドロドロした感情をあまり感じさせません。

迷子のようなわたしを貴方にすぐに届けたいなんて、まるで無垢な少女のようです。

でも無垢な少女がダイヤル回して手を止めます。

家族のいる自宅に電話できないからです。

ただこの歌詞が多くの人に共感されるのは、不倫の恋じゃなくても勇気が出なかったり、用事もないのに電話してしまっていいかなとか、今忙しいかもしれないなとか、電話するのをためらう気持ちを多くの人が経験しているからです。

 

“どうしても口に出せない 願いがあるのよ

土曜の夜と 日曜の

貴方がいつも 欲しいから

ダイヤル回して 手を止めた

I’m just a woman

Fall in love”

我慢が多くて、不倫の恋は辛いものです。

貴方のすべてを独占したくても、それは叶わないことです。

土曜の夜と日曜の貴方が欲しいのは、貴方のプライベートすべての時間が欲しいってことに等しいです。

不倫の恋であるかぎり、叶わぬ願いです。

逢えない時間が長くなればなるほど会えたときの喜びが大きくなって、よけいに不倫から抜け出せなくなるのかもしれません。

 

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不倫の歌ランキング第4位 天城越え/石川さゆり(1986年7月発売)

天城越え

作詞:吉岡治 レーベル:日本コロムビア

 

演歌ですが、とても好きな歌です。

この歌を聞いていると、伊豆半島を舞台に男と女が不倫旅行しているイメージが私は浮かんできます。

歌詞からすると不倫ではないのかもしれませんが、女性の男に対する執念や愛憎、覚悟や強さ、艶めかしい淫靡さなどが感じられて、所帯じみておらず家庭の香りがしないからか、不倫旅行のイメージが湧いてきます。

石川さゆりさんの歌声が情感豊かで、迫力があって素晴らしいです。

歌詞に描かれる女は怖いくらいで、すごくいい歌だなと思います。

 

“隠しきれない 移り香が

いつしかあなたに しみついた

誰かに盗られる くらいなら

あなたを殺して いいですか”

男の体から、他の女の移り香がするんですね。

「とられる」の漢字が「盗られる」になっているのも、歌詞に合っています。

愛と憎しみは紙一重なのかもしれないなんて、うっかり思ってしまいます。

殺していいですかは怖いですが、殺したいくらい愛されているってことです。

 

“寝乱れて 隠れ宿

九十九折り 浄蓮の滝

舞い上がり 揺れおちる 肩のむこうに

あなた…… 山が燃える”

「隠れ宿」というフレーズが不倫のイメージをさらに喚起します。

九十九折りは、山道がくねくねとして折り重なっているようになっていることを言います。

私は『天城越え』の歌のファンとして、浄蓮の滝に行ったことがあります。

天城越えの石碑が埋め込まれた岩がありました。

浄蓮の滝

(出典:httpshizuoka.mytabi.netizuarchivesjyoren-no-taki.php)

この歌の歌詞には実際に存在する名所がいくつも出てきます。

山が燃えるは、男女の行為の快楽が高まっている肉体的感覚を比喩しているのでしょう。

 

“何があっても もういいの

くらくら燃える 火をくぐり

あなたと越えたい 天城越え”

色っぽい歌詞です。艶めかしい。あでやか。

女性の懐の深さを感じます。

それと同時にちょっとした畏怖みたいなものも感じます。

 

“口を開けば 別れると

刺さったまんまの 割れ硝子

ふたりでいたって 寒いけど

嘘でも抱かれりゃ あたたかい”

男には他に女が出来て、別れると言ってきてることがわかります。

心がないのはわかっていても、抱かれているとあたたかい。

 

“恨んでも 恨んでも からだうらはら

あなた…… 山が燃える”

他に女をつくった男が憎くてしかたありません。

でも抱かれていると体は快感を覚えてしまいます。

 

“戻れなくても もういいの

くらくら燃える 地をはって

あなたと越えたい 天城越え”

ここの歌詞はいろんな意味が込められているのでしょう。

物理的には、天城峠をあなたと越えて、もうこの旅行から現実に戻らなくていいという意味もあるでしょう。

それ以上に、精神的な意味が大きいと思います。

別れてほしいと言われている男に、別れたくないとすがり困らせたとしてもずっとついていくという気持ちかもしれません。

もう一生男がちゃんと自分のほうを向いてくれなくても、そんな気持ちでもいいからこのまま私と一緒にいてほしい、そういう気持ちを表している歌詞だと思います。

 

石川さゆりさんの歌がランキング入りしているおすすめ記事です。

第3位をチェックです。

http://iiiyashi.com/074/

 

不倫の歌ランキング第3位 Missing/久保田利伸(1986年9月発売)

Missing

作詞:久保田利伸 レーベル:CBS/SONY

 

不倫の歌は、男性が結婚をしていて女性は独身というものが多いです。

この『Missing』という歌は、逆に女性が結婚していて男性は独身という状況です。

 

“言葉にできるなら 少しはましさ

互いの胸の中は 手に取れるほどなのに

震える瞳が 語りかけてた

出会いがもっと 早ければと”

お互いに惹かれ合っていることは分かっているのに、その気持ちを言葉にできないのがよけいに辛いのです。

切ない想いから瞳に涙がにじみ、震えるように見えるのかもしれません。

出会いがもっと早ければ、不倫の恋に落ちてしまったら誰もが考えてしまう、たらればです。

 

“I LOVE YOU 届かないものならば

見つめかえさないのに 瞳奪われて 動けない”

相手に心がないのならば届かない想いだと諦めもつくのに、相手も同じように想ってくれていることに気づいています。

瞳を見れば、相手の想いも分かるのでしょう。

そして、その瞳を見ていると目が離せなくなって、ただ見つめてしまいます。

 

“I OVE YOU 僕だけの君ならば

この道をかけだして 逢いに行きたい 今すぐに

I MISS YOU 許されることならば

抱きしめていたいのさ 光の午後も星の夜も Baby”

僕だけの君ならば逢いに行くということは、僕だけの君ではないのだから逢いに行けないということです。

許されることならば抱きしめていたい、許されない関係ですから抱きしめられません。

恋をすれば誰もが望むことを、不倫であるがゆえにブレーキをかけて押しとどめているのです。

なんとか自分の気持ちを抑えようとする男の心理状況です。

女性より、どこか理性的な気がします。

 

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不倫の歌ランキング第2位 愛人/テレサ・テン(1985年2月発売)

愛人

作詞:荒木とよひさ レーベル:トーラスレコード

 

愛人は、言うまでもなく不倫相手や妾のことです。

こういう意味になったのは戦後のことだそうです。戦前は単なる恋人という意味だったそうです。

ちなみに、韓国語では「愛人」は恋人の意味ですし、中国語でもそのまま愛する人という意味で、恋人のことや夫または妻を指す言葉だそうです。

もちろんこの歌は戦後の日本の歌ですから、不倫相手という意味です。

 

“あなたが好きだから それでいいのよ

たとえ一緒に街を 歩けなくても

この部屋にいつも 帰ってくれたら

わたしは待つ身の女でいいの”

この部屋にいつも帰ってくれたらいいということは不倫ではありますが、男性は妻のいる家には帰らず、この女性の家にいつも帰ってきてるんですね。

待つ身の女でいいというあたり、昭和の女というイメージにぴったりです。

つらいことがあっても、つらいとわめき散らすようなことはありません。

耐え難きを耐え、忍び難きを忍び、思わず玉音放送が聞こえてきそうです。

 

“めぐり逢い少しだけ 遅いだけなの

何も言わずいてね わかっているわ

心だけせめて 残してくれたら

わたしは見送る 女でいいの”

やっぱり不倫の恋は、みんな出逢いの遅さを感じるんですね。

何を言わないで欲しいのでしょうか。何をわかっているのでしょうか。

きっと男は家族のもとには帰らず、毎日この愛人宅に帰り、ここから出掛けていくのでしょう。

でも婚姻関係を解消し、この女性と籍を入れるつもりはないのでしょう。

そのことを言わないでいてほしいし、わかっているのではないでしょうか。

心が私にあればいいし、毎日ここに帰ってきて、ここから出掛けてくれればいいってことでしょう。

 

“尽して 泣きぬれて そして愛されて

明日がふたりを こわさぬように

離れて 恋しくて そして会いたくて

このままあなたの胸で暮らしたい”

尽して泣きぬれてもいいんです。

愛されていれば。

彼女は、このままの暮らしでいいんですね。

この関係がただ続いてほしいのです。

 

不倫の歌ランキング第1位 純愛ラプソディ/竹内まりや(1994年5月発売)

純愛ラプソディ

作詞:竹内まりや レーベル:ワーナーミュージック・ジャパン

 

不倫の歌ですが、純愛という言葉がタイトルについています。

でも考えてみれば、不倫に苦しむのはみんなその恋に本気だからです。

不倫の恋は純愛なのかもしれませんね。(片方だけの気持ちが純粋という場合が多そうではありますが)

 

メロディーも歌詞も、どこかふんわりとした前向きなものになっていて、いわゆる不倫っぽいイメージの歌とは違っているかもしれません。

夢見がちなぱっとしないOLが不倫なんてドラマティックなことしちゃってと喜んでいるような、どこかミーハーな印象も受けます。

 

“明るいだけが 取り柄でも

私だって命がけの恋に 憧れることがある

ドラマティックな 出来事は

起こるはずもないくらいに 平凡に生きてきた”

どんな女性なのかイメージがわいてきますね。

特別、目立つタイプではありませんし、不倫をしそうなタイプにも見えないでしょう。

 

“あなたとの出逢いの日を境にして

すべてが輝き始めて 想いは募るばかり

愛し方何ひとつ知らないままで

飛び込んだ ぬくもりは 他の誰かのものだけど

タイムカードを 押すたびに

ふと感じる物足りなさ いつしか消えてたの”

正直わたしはこの歌の女性がふわふわしていて、浮ついた気持ちのまま不倫しちゃっている感じが、どうしようもない女性だなと思います。

でも、この女性はどうやら初めての男性とのお付き合いなのかもしれません。

少なくとも本気の恋愛は初めてなのでしょう。

愛し方何ひとつ知らないままだったのに、いろんなことを彼から教えてもらっているのでしょう。

それなら、このふわふわした浮ついた気持ちもしかたないかなと思いました。

どうしようもなく物足りない日々に、はじめて男性を想うという刺激が入ってきたのでしょう。

 

“遅すぎためぐり逢いを 悔やみながら

過去にやきもち焼いたって

戻せない時までは

片づいてゆく仲間達に ため息

どこまでも 主役には なれない私でもいいの

人をこんなに 好きになり

優しさと強さ知ったわ それだけで幸せ”

年齢がいっていて、友だちが結婚していったりと状況に違いはあるかもしれませんが、なんかほとんど初恋している少女と変わりないですよね。

しっかりしたほうがいいよとわたしは説教したくなりますが、よけいなお世話だし、じっさい初恋なんだからしかたないですよね。

仲間達、結婚していってるんでしょう。不倫してる場合じゃないでしょう。

そうやっているうちに年をとっちゃうよ。

何を言っても、実際に経験するしかないのかもしれません。

初めてこんなに人を好きになれたから、そんな気持ちを知れただけで幸せって言っちゃってますからね。

そんなこと言ってる場合じゃないでしょって、やっぱりどこかで思ってしまいますが。

何を言ってもムダでしょうから、放っておくことにします。

初恋少女の不倫でも、やっぱり不倫は遅すぎた出逢いを悔やむんですね。

 

“形では愛の深さ測れない

さよならが 永遠の絆に変わることもある

二度と会えない ふたりでも

胸の中で生き続ける 大好きな微笑み”

でも純粋だけあって、いい子だなぁとも思います。

だからよけいに説教したくなるんですね。

さっき放っておこうと決めたばかりなのに。イカン。

さよならしても、ずっと二人にとって胸の中が温まるような記憶になるといいですね。

きっとこの彼女にとってはそうなるんでしょう。

こう歌えるってことは。

男性のほうも同じように思っていてくれているといいですね。

それ以上に、この純粋な女性がもっといい男をつかまえて、ちゃんと幸せになってくれることを願います。

 

恋愛に疲れていて癒されたいなら、こちらの歌がおすすめです。

http://iiiyashi.com/023/

 

恋愛と結婚は別ものなんて言いますね。

結婚相手にはどんな男性を選べば幸せになれるのでしょうか。

こちらの記事がおすすめです。

http://iiiyashi.com/114/

 

もし不倫相手と別れるつもりなら、その前に読んでおいてください。

http://iiiyashi.com/144/