睡眠とは何か?
睡眠とは何か?改めて真剣に考えてみる人は少ないでしょう。
睡眠とは何かと考える人は、睡眠に何らかの問題を抱えている人が多いかもしれません。
私も仕事のストレスでよく眠れなくなったことがあります。
その頃は、精神状態もかなり不安定でした。
人間にとって、睡眠はめちゃくちゃ大事なものです。
疲れをとるため、脳と体を癒すために睡眠は必要なものです。
私たちは人生のおよそ1/3の時間を眠って過ごします。
人生が80年だとすると、26年くらい眠っていることになります。
こんなに眠っているのに、多くの人は睡眠のことをよく知りません。
睡眠って何なのだろうと思って、まず国語辞典を見てみました。
“周期的に繰り返す、意識を喪失する生理的な状態。”goo辞書
“周期的に生じ,感覚や反射機能その他種々の生理機能が低下し,意識は喪失しているが容易に覚醒しうる状態。”大辞林
大辞林のほうがより細かく意味を書いてくれていますが、どちらも同じことを言っていますよね。
睡眠は、意識を喪失している状態なんですね。
眠っている状態は生き物にとっては危険な状況
寝ている状態って、生き物にとってはかなり不利な状況を作り出しますよね。
意識を失っていたら、他の生き物から襲われたときに非常に危険です。
寝込みを襲われるとどんな強い人でも負けてしまう可能性が高くなります。
武士は寝るときに刀を置く向きにもこだわっていたと聞きます。
刀掛けに刀を置くときも、いざという時に早く持てるように柄のほう、持つ部分が利き手側になるように置いていました。
刀掛けがない場合は、頭の上に置いていた人が多かったようです。
この場合も柄は利き手側になるように置きます。
武士は寝る時の利き腕の位置にもこだわっています。
利き腕を下にして寝ていたそうです。
寝こみを襲われた時にも、上にある左腕を怪我しても右腕で反撃できるからです。
こんな言い伝えが残っているのは、寝ている時に襲われるのがそれだけ不利だからです。
武士といえば、宮本武蔵は風呂に入らなかったという言い伝えもありますね。
身なりや衣服に無頓着な性格だったそうですが、きっと風呂に入っている時に襲われるのを怖れていたせいもあるでしょう。
風呂には入らなくても生きていけますけど、寝ないってわけにはいきません。
生き物が生存するためには、睡眠する必要がなければ睡眠しないほうが安全なわけです。
なのに、生き物はみんな睡眠をするということは、睡眠が生き物にとって必要なものだということです。
じゃあ、生き物にとって生命の危険を冒してまでしなければならない睡眠にはいったいどんな必要性があって、どんな効果があるのでしょうか?
睡眠の必要性
どうして睡眠が必要か考えるには、寝ないと人はどうなってしまうのかを考えれば分かります。
寝なければ心にも体にも悪影響が出ます。
精神状態がおかしくなってきて、判断力や記憶力がなくなってきます。
幻覚を見たり、幻聴を聞いたり、生理的な機能に支障をきたします。
寝ないと人は死んでしまうのか?
最終的に、寝ないと人は死んでしまうのでしょうか。
結論をいうと、人間は寝ないと死んでしまいます。
ただ死ぬまで起きていられる人はまずいません。
どんなに不眠症の人でも、死ぬまで起きていることは不可能でしょう。
話の信ぴょう性は分かりませんが、太平洋戦争中に軍隊でどれくらい人は起きていられるのか人体実験をしたことがあるという話を見かけました。
作戦を立てたり、生物兵器を開発したりするデータとして実験したのでしょうか。
人を眠れなくする毒素、香りみたいなものを開発すれば、それを敵国に撒き散らせば戦争では有利になります。
日本軍の人体実験では、実際に何人か亡くなってしまったと書いてありました。
眠らないと人は死んでしまう。
睡眠がいかに人に必要なものかが分かります。
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大脳を休ませるのがヒトの睡眠では最も大事
睡眠のことって、実はまだまだよく分かっていないことも多いのです。
睡眠のことを知るというのは、脳のことを知るということです。
脳のことはまだまだ分かっていないことが多いから、睡眠のことも分からないことが多いようです。
近年になって、脳の研究が進んだことにより睡眠のことも分かることが増えてきてはいます。
脳科学者の方たちをテレビで見かけることも多いですしね。
睡眠と脳波の関係を知れば、夢を見るのはなぜなのか?も含めてもっと睡眠に詳しくなれます。
http://iiiyashi.com/137/
人間の場合、睡眠は大きく発達した大脳をうまく休ませるという意味が大きいようです。
大脳が大きいというのは、ヒトの種としての特徴です。
大脳が大きくなるにつれて、大脳を休ませる睡眠の機能も強化されてきました。
ヒトの睡眠は、大脳のあるためにあるといってもくらいに特殊化しています。
睡眠といっても、動物によって睡眠の種類には違いがあります。
生きている場所、環境によって生物の体は進化しています。
それに合わせて睡眠も進化しているのです。
人の神経系のほとんどが大脳皮質に集まっています。
ここを定期的に休ませてやらないと、全身をコントロールする機能が衰えます。
大脳は、体の司令塔とも言える役割を担っています。
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寝ないと人にはどんな症状が表れるか
1 初期症状(1日~3日くらい眠らなかった場合)
睡眠不足になると、大脳の情報処理能力に悪影響が出ます。
眠くなってくると、いらいらしたり、元気がなくなったり、動く気がなくなったりします。
起きていても、あまり生産的な活動ができなくなってしまいます。
これは身体ではなくて、大脳の機能が低下し、大脳が休息を要求することによって起きる症状です。
このあたりの症状は多くの人が体験したことのあるレベルでしょう。
私も睡眠不足になると、イライラしやすくなります。
2 中期症状(4日目、5日目くらいから)
精神状態がおかしくなってくる。
幻覚や幻聴といった症状が出てきます。
なかなかこのレベルになるまで起きていられる人もいないでしょう。
3 末期症状(11日寝なかった人に起きた症状)
11日寝なかった人は、嘔吐や痙攣といった症状が出て瀕死だったそうです。
発狂してしまうのか、発狂せずに死んでしまうのか、いずれにしろ幻覚や幻聴のさきのレベルというと、もう生命の危機にある状態でしょう。
精神状態がおかしくなったり、幻覚・幻聴、痙攣といった症状は神経系の症状です。
大脳の疲労によって、起こる症状なのでしょう。
寝ないでいると、こういった症状を経て人は死んでしまいます。
睡眠の効果
睡眠の効果ですが、ここまで読んでいただいたように死なないということが挙げられます。
そして眠らないことで起こる、イライラや活力の減退、幻覚・幻聴、嘔吐、痙攣といった症状を起こさずに済みます。
寝ることによって、これらの症状が起こるのを防げます。
これだけで睡眠の効果はもう十分に分かっていただけますよね。
でも、なぜ寝ることによって、こういった症状が起きなくなるのか。
それが気になるところですよね。
睡眠の効果を整理してみます。
- 脳と体の疲れをとる
体の疲れをとるよりも、脳の疲れをとることのほうが大変です。
体の疲れをとるだけなら、体を横にしてじっとしているだけでも、それなりに疲れはとれます。
人はほかの動物より大脳が発達しているので、大脳の疲れをとるという特徴ある睡眠になっています。
- ストレスの解消
ストレスがあると脳は疲れてしまいます。
睡眠は疲れた脳を休ませ、ストレスを解消します。
一時的に眠らない状態が続いた場合も、精神状態がおかしくなってきます。
慢性的に睡眠不足の状態が続くとストレスが蓄積し、精神疾患(うつ病など)につながります。
ストレスは心の病気も、体の病気も引き起こしますから怖いですね。
- 体の成長や老化防止
睡眠中は成長ホルモンが分泌されます。
成長ホルモンはノンレム睡眠時に特に多く分泌されます。
体が大きくなっていく子どもの頃は睡眠時間を十分にとって、成長ホルモンを分泌させることが成長の秘訣です。
実際に成長ホルモンは、成長期に多く分泌されます。
なので、この時期を逃して大人になってから、「今から成長するぞ」とたくさん眠っても、成長ホルモンの分泌には限度があります。
ただ大人にも成長ホルモンの役割は重要で、体の組織の修復・再生をします。
古くなったり、傷ついたりした細胞を直します。
成長ホルモンには脂肪を燃焼させる働きもあります。
若々しい体でいるのに、成長ホルモンは非常に大事です。
寿命を延ばすのに、睡眠は効果があるということです。
- 病気の予防
骨髄で白血球、赤血球、リンパ液などが作られます。
血行が促進され、体が持つ病気や病原体への抵抗力や免疫力を高めます。
- 記憶の整理整頓、定着
起きている間は、常に五感から脳に大量の情報が入ってきている状態です。
それを遮断して入ってきた情報を整理しないと脳の働きが悪くなります。
睡眠中に、その日に起こった出来事や学習したことを一時的な記憶を保管する脳の場所から、中長期的に保管する脳の場所へと整理して移しています。
重要なものと判断されずに、中長期的な保管場所へと移されなかった情報は忘れる運命となります。
睡眠の必要性や効果が分かったところで、眠れない人はどうやったら眠れるようになるのでしょうか。
よく眠れるようになる方法をまとめた記事はこちらです。
http://iiiyashi.com/041/
眠れるようになるためのポイントがたくさん紹介されています。
難しい方法ではなく、簡単に試せる方法ばかりです。
ぜひお試しください。
私は6番目の方法がおすすめです。
寝る前に聞くとリラックスして、眠りやすくなる音楽のおすすめの記事はこちらです。
モーツァルトの曲を聞くと、頭が良くなる?
http://iiiyashi.com/133/
この度は貴社の記事を高校の保健の授業で使わせて頂きました。
睡眠とは何のためにあるのか学ぶことが出来ました。
誠にありがとうございました。