最近、夢って見ましたか?
夢って、どうして見るのか気になりませんか?
みなさんが眠っている間に見て憶えている夢は、「レム睡眠」っていう状態のときに見ているものなんですよ。
詳しくは、この記事の後半でお話しますね。
睡眠とは何か?睡眠と脳波の関係
睡眠とは何かという問いに答えるためには、脳波が鍵を握ります。
脳波の周波数によって、睡眠の深さは計られます。
覚醒時と睡眠時の人間の脳波について、先にざっと見ておきましょう。
脳波 | 周波数 | 状態 |
---|---|---|
γ(ガンマ)波 | 26~70Hz | 覚醒時。目が開いている状態。興奮状態。 |
β(ベータ)波 | 14~38Hz | 覚醒時。目が開いている状態。活動的な状態。緊張状態。 |
α(アルファ)波 | 8~14Hz | 覚醒時。目を閉じている状態。リラックス状態。 |
θ(シータ波) | 4~8Hz | 入眠時。おおむねレム睡眠時。浅い眠り。 |
δ(デルタ波) | 0.5~4Hz | 入眠時。おおむねノンレム睡眠時。深い眠り。 |
おおまかに言うと、上にいくほど興奮状態、下にいくほど鎮静状態と言えるでしょう。
健康な人は、安静・閉眼・覚醒状態では後頭部を中心にα波が多く出ます。
脳波がα波の状態はリラックス状態であり、その状態から睡眠へと入っていきます。
睡眠時というのは、この中の脳波がθ波とδ波の状態です。
さらに、θ波がレム睡眠時、δ波がノンレム睡眠時です。
睡眠とは何か?という一つの答えは、脳波が8Hz以下の状態と言えます。
人の一生の中における脳の周波数の変化
出生から思春期までの間は、脳の周波数は高くなっていきます。
周波数が高くなるとは、脳波の振幅が大きくなるという意味ではありません。脳波が小刻みになるという意味です。
思春期から初老期までは、脳の周波数はほとんど変化がありません。
初老期以降は、加齢とともに脳の周波数は低くなっていきます。
こちらも脳波の振幅が小さくなるのではなく、脳波がゆっくりになるという意味です。
高齢になるほど、一日の周波数の高低の差は小さくなっていきます。
起きている状態と眠っている状態の差が小さくなっていると言えます。
人の一生と睡眠時間の変化
睡眠時間も人の一生のあいだで変わります。
高齢者は早く目が覚めるイメージがありますよね。
出典:http://www.natural-sleep.com/
年齢 | 1日の総睡眠時間 |
---|---|
新生児 | 16~17時間 |
4ヶ月児 | 14~15時間 |
1歳児 | 12~13時間 |
小児期 | 10~12時間 |
青少年期 | 8.5~10.5時間 |
青年期~中年期 | 7~8時間 |
高年期 | 6時間程度 |
加齢とともに睡眠時間が減少していくのがよく分かります。
この加齢とともに減る睡眠ですが、実は加齢とともに減る睡眠は主にレム睡眠だって知っていましたか?
レム睡眠は、新生児のときは睡眠時間の約半分を占めます。
高齢者の睡眠では、レム睡眠の占める割合は約15%になります。
高齢者の睡眠のほとんどの時間が、ノンレム睡眠なのです。
レム睡眠とノンレム睡眠の役割の違い
出典:http://www.natural-sleep.com/
レム睡眠の特徴
- 身体は深く眠っているのに、脳が活発に動いている状態
- 目玉がキョロキョロ動く(急速眼球運動)
- 呼吸や心拍が不規則になる(ノンレム睡眠より活動的)
- 血圧が変動する(ノンレム睡眠より活動的)
- 物音など刺激で目が覚めやすい
- 脳は働いているので、レム睡眠時に目覚めるとすっきりと起きやすい
- 脳は働いているので、複雑な夢を見る(よく覚えていることがある)
- 金縛りにあうのはレム睡眠時
- 新生児がもっとも長く、加齢とともに短くなっていく
レム睡眠の役割
- 覚醒時に五感から入ってきた情報や感情を整理して、記憶を固定・消去させる
- 筋肉の疲労回復
夢と記憶の固定との関係性
夢を見るのは、記憶の整理だという話を聞いたことがありませんか?
起きている間に、人の脳には五感をとおして膨大な量の情報が入ってきます。
得た情報を、中長期的な記憶の保存庫に効率良く移す作業をしている時に、夢を見るという話です。
新しく入ってきた情報を、中長期的に保存する必要があるかどうかを判断します。
必要がなければ、その記憶は消去されてしまいます。
保存する必要があるとすれば、過去のどの情報が入っている場所に一緒にしまっておくかといった作業をしているのでしょう。
関係のある場所にしまっておいた方が、思い出す時にも思い出しやすいですからね。
新しく入ってきた情報と、既に過去に入ってきてしまわれている情報とを結びつけたりして整理しているのかもしれません。
脳が新しい情報を抱えながら、こっちの記憶の箱にしまおうかな、あっちの記憶の箱にしまおうかなとごちゃごちゃ引っ掻きまわしているのでしょうか。
脳が記憶保管庫の中で右往左往しているところを想像すると、なんかあの脈絡のない夢の内容も納得してしまうような気がします。
レム睡眠が赤ん坊の頃ほど長い理由
レム睡眠は五感から入ってきた情報を整理するという役割のある睡眠だとお伝えしました。
生れたばかりの新生児にはこの世界のすべてが未知です。
見るもの、聞くもの、嗅ぐもの、触れるもの、味わうもの、すべてが初めてのものだらけです。
初めてのものに対しては、感情も大きく揺れ動きますよね。
そうやって考えると、レム睡眠が赤ん坊の頃ほど長いのも頷ける気がします。
覚えることが多い新生児ほどレム睡眠が長いというのも、よくできています。
もしかして大人も新しい世界に飛び込んだら、再びレム睡眠が長くなるなんてことはないのでしょうか。
ならないから、物覚えが悪くなっていくんですかね。
金縛りと夢遊病は何が原因で起こるのか?
金縛りはレム睡眠時に脳が覚醒してしまい、身体は眠っている状態で起こります。
脳が覚醒しているので身体を動かそうとする指令はできるのに、身体は眠っているので身体は動きません。
また、夢遊病もレム睡眠時に起こります。
脳は働いていて身体は動かないはずのレム睡眠時に、夢に見ているとおりに身体を動かしてしまえるのが夢遊病です。
身体のスイッチをオフにすることができていないので、オフにする神経の疾患が原因で起こると言われています。
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ノンレム睡眠の特徴
- 深い眠りで、脳が休んでいる状態
- 身体を支える筋肉は働いている(レム睡眠時は身体を支える筋肉も休んでいる)
- 目玉は動かない
- 心拍は下がる
- 血圧は下がる
- ホルモンの分泌をしている
- 単純な夢を見てはいるが、憶えていない
- 睡眠時間のうち多くを占める(生れたばかりの新生児で半分、10代で8割、高年期で85%)
- 加齢しても、あまり時間が短くならない
ノンレム睡眠の役割
- ストレスを消去している
- 脳の疲れ、特に大脳の疲れをとっている
大脳が進化している動物ほど、ノンレム睡眠をとることが分かっています。
このことから、ノンレム睡眠は大脳の疲労をとるために必要な睡眠であると言われています。
睡眠時無呼吸症候群って、何が問題なの?
睡眠時無呼吸症候群は、寝ているときに呼吸が10秒以上止まってしまうことです。
気道が閉塞してしまったり、呼吸運動自体が止まってしまったりするために起こります。
何が問題なの?って呼吸が止まってしまうわけだから、問題だらけな気がするかもしれません。
でも10秒呼吸を止めても、再び呼吸すれば生きていられるのだから問題ないとも言えます。
睡眠時無呼吸症候群の人体への大きな問題は、脳に酸素が十分に供給されないためノンレム睡眠にならないことなのです。
ノンレム睡眠ができないということは、脳の疲れがとれないため他の病気や疾患を引き起こしてしまいやすくなるのです。
睡眠の必要性と、睡眠の果たしている効果をより詳しく知りたい方はこちらの記事をどうぞ
http://iiiyashi.com/136/
レム睡眠とノンレム睡眠の違いをまとめると
レム睡眠とノンレム睡眠の違いは、一言で言うと脳が働いているかどうかの違いです。
さらにもう一つ付け加えるならば、レム睡眠は「脳を創る」睡眠であり、ノンレム睡眠は「脳を休ませる」睡眠です。
「脳を休ませる」睡眠であるノンレム睡眠は、人がいくつになっても必要なものですから、加齢によってそれほど減りません。
一方、「脳を創る」レム睡眠は、赤ん坊の頃ほど長いです。
睡眠周期。レム睡眠とノンレム睡眠の周期性
睡眠の周期は90分周期という話はよく聞きます。
平均すると90分くらいの長さのようですが、個人差があります。
80分くらいの周期の人もいますし、100分くらいの周期の人もいます。
私は90分より少し短い周期な気がしています。
90分周期の内訳としては、最初の90分のほうがノンレム睡眠の割合が長く、レム睡眠の割合が短くなります。
睡眠の中でもあとの周期になるほど、レム睡眠の時間が長くなり、覚醒へと近づいていきます。
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レム睡眠とノンレム睡眠の周期は生命の維持に必要
90分周期に、眠りの深さは変動します。
でも、なぜレム睡眠とノンレム睡眠を90分周期にしなければならないのでしょう。
たとえば、8時間睡眠だったとして、はじめの6時間をノンレム睡眠にして、あとの2時間をノンレム睡眠にしてはいけないのでしょうか。
実は、90分周期でなければならない理由があります。
ノンレム睡眠は、脳を休ませるための睡眠です。
ノンレム睡眠中は脳の温度が下がります。
ノンレム睡眠とレム睡眠が交互に訪れるのは、ノンレム睡眠で脳の温度が下がってしまったままだと体に障害が出てしまうからです。
脳が休んだままだと、身体への指令もお休みになってしまうわけです。
お休みのままだと、害が出てくる身体の器官があるのです。
そのため脳の温度を上昇させる必要があり、レム睡眠になります。
脳を休息させるため、プラス脳が休息しても体に障害を起こさないためにノンレム睡眠とレム睡眠が交互に訪れる仕組みになっています。
それにしても睡眠ってよくできています。
生命を維持したまま、脳と身体が交代に休憩しているイメージでしょうか。
睡眠のことがだいぶ分かってきましたよね。
よく眠れない、よい睡眠がとれないという人は睡眠の機能がよく働いていない状態なんですね。
眠れない人はどうやったら眠れるようになるのでしょうか。
よく眠れるようになる方法をまとめた記事はこちらです。
http://iiiyashi.com/041/
眠れるようになるためのポイントがたくさん紹介されています。
難しい方法ではなく、簡単に試せる方法ばかりです。
ぜひお試しください。
私は6番目の方法がおすすめです。
“睡眠と脳波の関係。レム睡眠とノンレム睡眠の脳波・役割の違い” への3件のフィードバック