マグロやサメが泳ぐのをやめて止まると死んでしまうという話を聞いたことがありませんか?
止まると体に酸素が供給できなくなるから死んでしまうんだそうです。
マグロ、サメだけじゃありません。
カツオ、サバ、サンマ、イワシも泳ぐのをやめてしまうと死んでしまいます。
止まると死んじゃうなんて大変だなぁと思いませんか?
ずっと泳ぎ続けていなければなりませんし、休めないですよね。
休めないといえば止まることのできないこれらの魚はどうやって眠るんでしょうか?
泳ぎ続けているってことは眠らないんでしょうか?
それとも泳いだまま寝ているんでしょうか?
思いついてみると、ちょっと疑問に感じませんか?
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マグロ、サメは片目ずつ目を閉じて半球睡眠する?
マグロやサメは夜中になっても泳ぎ続けます。
ただ泳ぐスピードを変えていて、日中と夜間に比較的ゆっくりとしたスピードで泳ぐ時間帯があります。
夜間は体温も下がっていて、活動が鈍ります。
止まることができないのは海の中の動物だけではありません。
カモメなどの渡り鳥もずっと飛び続けなければならないことがあります。
こういった動き続ける動物(動き続けなければならない動物)は、なんと左右の脳を交互に休ませることができるのです。
泳ぐ、飛ぶといった活動をしたままで眠ることができるなんて、なんて器用なんでしょう。
脳の半分ずつ睡眠をとる方法を、半球睡眠と呼びます。
実際に、カモメなどの渡り鳥のなかには片目だけつぶったまま飛びながら眠る鳥がいます。
さすがに、魚は目を閉じることはありませんが。
魚は眠らないから木魚?
お坊さんたちはお経を読んでいるときに木魚を叩きますよね。
あれって、お坊さんたちが眠ってしまわないようになんだそうです。
木魚というのも、魚は目を閉じないので昔の人たちは「魚は眠らない」と考え、それにあやかって作られたものです。
魚は目を閉じることはありませんが、実際には眠っています。
動き続ける動物も眠っている
動き続ける動物たちは、ノンレム睡眠を半分の脳だけで行うという非常に器用な睡眠をしているのです。
カモメは、長いあいだ飛び続けなければならない時には半分ずつ脳を休める半球睡眠を行います。
地上の安心できる場所で眠るときは、人間と同じように左右の脳を休ませてゆっくりと休みます。
その際にはノンレム睡眠だけでなく、レム睡眠もとります。(レム睡眠は身体を支える筋肉も休んでしまいます。)
レム睡眠とノンレム睡眠の違いを知りたい方はこちらの記事がおすすめです。
単純にレム睡眠が浅い眠りで、ノンレム睡眠が深い眠りと思っていたのですが、筋肉はレム睡眠のほうが深く休んでいる?
http://iiiyashi.com/137/
人間が半球睡眠にチャレンジするとどうなる?
以前に、あるテレビ番組でオリエンタルラジオの中田さんが半球睡眠にチャレンジした話をしていました。
オリエンタルラジオの中田さんは慶應義塾大学卒で、勉強熱心なことでも有名ですよね。
そんな彼が受験勉強しているときに、睡眠時間を削ってもっと勉強できないだろうかと考えたそうです。
そこで彼が思いついたのは、片方の目に眼帯をして勉強する方法です。
右目は左脳に繋がっていて、左目は右脳に繋がっています。
片方の目に眼帯をすることで繋がっているほうの脳が半分ずつ休むことができるので、ずっと起きていられるのではないかと考えたそうです。
これをテレビで見ていたときは変なことを考える人だな、そんな無茶苦茶なことできるわけないじゃんと思いました。
実際にオリエンタルラジオの中田さんは眼帯をつけて勉強してみたそうですが、ずっと起きていることはできなかったそうです。
彼が半球睡眠をする魚や鳥がいることを知っていたのかは分かりません。
でも半球睡眠というものを知らなかったのだとしたら、この発想はすごいですよね。
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眠らない動物はいるのか?
動き続けている動物たちは眠らないように見えても、実は眠っていることがわかりました。
じゃあ、本当に眠らない動物っているのでしょうか?
実は、脳を持っている動物(魚類、両生類、爬虫類、鳥類、哺乳類)は睡眠をとる必要があります。
睡眠をとらないと脳を持っている動物は死んでしまうのです。
昆虫は眠るのか
じゃあ昆虫、虫って眠るのかな?って思いませんか?
アリ、ハエ、蚊なんて、あんな小さな虫まで眠るのでしょうか?
疑問に思って調べてみました。
調べてみると、ほぼすべての虫が眠るんですって。
(ショウジョウバエの仲間に一生寝ない種がいるという情報もありましたので、「ほぼすべて」という表現にしています。真偽のほどは分かりません。個人的にはすべての昆虫が眠るのではないかと予測しています)
アリは夜になると巣のなかで休みます。
蜂も巣のなかで休みます。
蚊はあまり昼夜関係なく、眠ったり活動したりを繰り返しているようです。
蝶やトンボは葉っぱにしがみついて眠っています。
ある昆虫に死なない程度の刺激を与えて寝かせないようにする実験を行ったことがあり、その実験結果が論文にまとめられているそうです。
眠ることのできなかった昆虫は死んでしまったんだそうです。
昆虫は脳を持っていませんが、神経節という脳に近い機能の器官を持っています。
脳に近い器官を持っている生物も睡眠をとる必要があると考えられています。
そのため、すべての昆虫が眠ると考えられているようです。
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動物も昆虫も眠るとなると、眠らない生物はいるの?
脳を持っている動物、脳に近い神経節という器官を持つ昆虫も眠ることが分かりました。
じゃあ、眠らない生物はいるのでしょうか?
この答えは今まで読んできた中にあります。
睡眠を必要とし、要求するのは細胞ではなくて、脳なのです。
だから、脳を持たない生物は睡眠を必要としないのです。
脳を持たない生物というのは、植物や菌類がそうです。
植物や菌類だと眠らないというより、眠っている・起きているという概念がないと言ったほうが正しそうですよね。
生物ではありますが、動物ではありませんし。
動物では、眠らない動物と眠る動物のラインはどこなのでしょうか?
その境界線をさらに調べてみました。
この境界線を探ることは、ほぼ進化を遡っていくこととイコールです。
(出典:http://www.seibutsushi.net/blog/)
脊椎動物(魚類、両生類、爬虫類、鳥類、哺乳類)はもちろん眠ります。
昆虫が眠ることはさきほどのとおりです。
エビやカニ(甲殻類)も眠ります。
イカやタコ(軟体動物)も眠ります。
ヒトデ(棘皮動物)やクラゲ(腔腸動物)は眠りません。
アメーバやゾウリムシといった原生動物ももちろん眠りません。
ミミズ(環形動物)とナメクジウオ(原索動物)を調べてみたのですが、寝るのか寝ないのかはっきりとしたことが分かりませんでした。
調査した結果、このあたりが眠る動物と眠らない動物の境界のようです。
眠らない動物はいますか?という質問の答えとして、アメーバーのような単細胞生物はもちろん寝ませんが、ヒトデやクラゲも眠りません!というのが答えです。
動物と比べて、人の睡眠にはどんな特徴があるのでしょうか?
人の睡眠にはどんな特徴があるのか、分かるようになります。
http://iiiyashi.com/136/
難しい話はいいから、寝る方法を知りたいという方はこちらの記事がおすすめです。
http://iiiyashi.com/041/