悲しい。
悲しくて、悲しくて、心が壊れてしまいそう。
病気になって悲しい。
仕事を失って悲しい。
身近な人を失って悲しい。
ときに人は身を裂かれてしまうような激しい悲しみに襲われることがあります。
そんな悲しいときには静かに一人でいたいという人もいるでしょう。
誰かにそっとそばにいてもらいたいという人もいるでしょう。
一人でいたい人も、誰かに一緒にいてもらいたい人も、あまりにも大きな悲しみに打ちひしがれて孤独な気持ちでいるのではないでしょうか。
こんなにも悲しい気持ちを誰かと共有したい、共感されたい、誰かにこの気持ちを分かって欲しいと感じられているのではないでしょうか。
あなたの気持ちに共感してくれたり、代弁してくれたり、分かってくれたりするものがあります。
それは歌です。
かつてあなたと同じように悲しみに打ちひしがれた人たちが作った歌があります。
悲しい気持ちを込めた歌は、きっと今のあなたの心に寄り添ってくれるはずです。
あなたの悲しみを慰め、癒やしてくれます。
プロのライターが歌詞にも注目して選んだ悲しみを癒す歌をご紹介します。
悲しいときに聴くと癒される悲しい歌 第3位 悲しくてやりきれない/ザ・フォーク・クルセダーズ(1968年3月発売)
作詞:サトウハチロー レーベル:キャピトル・レコード
タイトルからして、悲しいあなたの気持ちを表しているのではないでしょうか。
歌詞ももちろんですが、メロディーも美しくて聴いていると癒やされます。
“胸にしみる 空のかがやき
今日も遠くながめ 涙をながす”
空をぼんやり眺めるとあまりに空が美しくて、その空の美しさに自然と涙が出てきたのでしょう。
あまりに悲しくて現実感がないのか、ふわふわとさまようような歌詞とメロディーです。
“悲しくて 悲しくて
とてもやりきれない
このもえたぎる 苦しさは
明日も続くのか”
あなたもこの苦しさがいつまで続くのだろうかと考えることがあるかもしれません。
『悲しくてやりきれない』を聞いて、こらえましょう。
時がいつか解決してくれます。
悲しいときに聴くと癒される悲しい歌 第2位 悲しみの果て/エレファントカシマシ(1996年4月発売)
作詞:宮本浩次 レーベル:ポニーキャニオン
『悲しくてやりきれない』の静かで美しいメロディーとは異なり、『悲しみの果て』は悲しみ、怒り、不安を吹き飛ばすような迫力とエネルギーに満ちた歌です。
“悲しみの果てに
何があるかなんて… Oh yeah
悲しみの果ては
素晴らしい日々を
送っていこうぜ”
悲しくて悲しくて叫びたい、そんなときはこの歌を歌うといいです。
あまりに悲しくて怒りに震えたり、不甲斐なかったり情けなかったりする自分を振りほどきたい時、この歌があなたのやるせない気持ちにぴったりだと思います。
私も悲しいことがあった時、頭の中でこの歌を流してみたり、帰り道に一人で歌ったりすることがあります。
短い歌ですが、一度聴くと耳に残る迫力がすごすぎる特別な歌です。
悲しいときに聴くと癒される悲しい歌 第1位 月/桑田佳祐(1994年8月発売)
作詞:桑田佳祐 レーベル:ビクタータイシタ
サザンオールスターズではなく、桑田佳祐さんソロの歌です。
1994年3月に桑田佳祐さんのお母さんが亡くなっており、この歌はお母さんを思って作った歌だと言われています。
悲しい思いを込めて作った特別な歌なのでしょう。
桑田さんご自身が、ご自身の作られた歌の中で好きな歌を聞かれたさいに挙げる歌です。
この歌を超える歌をなかなか作れないとおっしゃられています。
桑田佳祐さんが作られた歌にはたくさん好きな歌がありますが、その中でも最も深い歌と言われれば、この歌だと思います。
人のさだめを象徴するような、壮大な歌です。
虚無、虚しい、悲しい、やるせない、しのびない、この歌を形容する言葉はいくつも浮かびますが、どれも当てはまりはしますが、どれも十分に言い表せているという気もしません。
“遠く遠く海へと下る 忍ぶ川のほとりを歩き
果ての街にたどり着くころ 空の色が悲しく見える
振り返る故郷は 遥か遠くなる
柔らかな胸に抱かれてみたい Ah 君を見ました
月見る花に 泣けてきました 嗚呼…”
人は寂しさをうめるために、この世をさまよい歩いているのでしょうか。
歩けば歩くほど、生きれば生きるほど故郷は遠くなって、母親の柔らかな胸が幻のように思い出されるのかもしれません。
幻想的で、美しい歌詞です。
物悲しい気持ちがよりいっそう美しさを際立たせます。
“蒼い月が旅路を照らし
長い影に孤独を悟る
人の夢は浮かんで堕ちて
されど赤い陽はまた昇る
啼きながら鳥は何処へ帰るだろう
翔び慣れた夜もひとりじゃ辛い Ah
君と寝ました 他人のままで
惚れていました 嗚呼…”
日本的な詩ですよね。
古めかしい漢字が使われており、歌詞の物侘しい印象をより鮮明にしています。
もはや歌詞というより、詩のようです。
人が寂しさを背負いつつ、この世をさまよっている姿を想像させます。
そして寂しい夜に、孤独を分け合うように男女が束の間交錯していく。
所詮、この世はかりそめの世界。
この歌に込められた悲しみは静かに激しいです。
赤い炎よりも、青い炎の方が温度が高いように。
人が生まれながらにして背負っている運命的な悲しみを表現しているのでしょう。
人間のさだめを分かってもいるし、受け入れてもいるが、それでも寂しいことには変わりはありません。
人は生まれながらにして孤独にできています。
寂しくなるようにできています。
そうであるからこそ、人と出会おうとするのでしょう。
どこかのお寺の境内で、桑田佳祐さんがこの歌を歌っているのをテレビ番組で見かけたことがあります。
女優の沢口靖子さん一人が観客としてその場にいて、彼女のためにだけ桑田さんが歌っていました。
なんて贅沢なライブだろうと思いました。
お寺という宗教的な場所にこの歌はすごく合っていました。
宗教にも繋がるような神秘性、普遍性のようなものを『月』が含んでいるからでしょう。
生命が生まれては死んでを繰り返していく、その際限のない悲しさ・虚しさのようなものがこの歌にはどこか込められている気がします。
あまりにも悲しい、あまりにも美しい歌なので、ぜひ聴いてみてください。
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